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暗号資産ビットコインが2021年高騰し最高値を更新。今後の行方は?

暗号資産ビットコインが2021年高騰し最高値を更新。今後の行方は?

2021年、暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが高騰し最高値を更新し、再び注目されています。
ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産について紹介し、予想される暗号資産の将来や金融業界に及ぼす影響、暗号資産に関する法令に至るまで詳しく解説します。

暗号資産とは

2021年、ビットコインを含む暗号資産が再び注目されています。※1
かつては「仮想通貨」と呼んでいましたが、資金決済法の改正により定義が明確にされ、現在は「暗号資産」と呼称が変わりました。

まずは、暗号資産の動向について確認する前に、暗号資産の定義や法定通貨との違いなどについて解説します。

暗号資産の定義

まずは、どのような条件に該当するものが「暗号資産」であるのか、その定義を確認しましょう。
「暗号資産」とは、「資金決済に関する法律」において、次の3つの性質をもつものと定義されています。

  • 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドルなど)と相互に交換できる
  • 電子的に記録され、移転できる
  • 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない

例えば、法定通貨に交換できない「ゲーム内でのみやり取りされる通貨」や法定通貨建ての資産である「プリペイドカードやテレホンカード」などは、暗号資産ではありません。
また、後述する中央政府が発行するデジタル通貨も、暗号資産には該当しないこととなります。

暗号資産と法定通貨との違い

では、暗号資産と法定通貨の違いは、どのようなところにあるのでしょうか?

最も大きな違いは、法定通貨は国家やその中央銀行によって発行されたものであるのに対し、暗号資産は通常、国家や中央銀行が発行するものではない点です。

また、暗号資産は、法定通貨とは異なり、その裏付けとなる資産を持っていません。
そのため、「ある企業が暗号資産を一気に放出するかもしれない」という噂や一部地域の停電など、さまざまな要因により価値が大きく変動する傾向にある点も、違いの一つといえるでしょう。

実際に投資をする際などには、この違いをよく理解しておいてください。

暗号資産の法律

暗号資産に関連する法律としては、主に「資金決済法」と「金融商品取引法」の2つが挙げられます。
従来、暗号資産には明確な法令の定義がなかったため、さまざまな規制の網をすり抜けてしまっていました。

しかし、2018年1月に約580億円分が流出したコインチェック事件などを踏まえ、政府は規制強化にかじを切っています。※2
それぞれの法律と暗号資産との関係について見ていきましょう。

資金決済法

資金決済に関する法律(資金決済法)とは、その名のとおり資金決済について定めた法律です。※3

資金決済法第1条によれば、この法律の目的は次の通りです。

資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し、その利用者等を保護するとともに、当該サービスの提供の促進を図るため、前払式支払手段の発行、銀行等以外の者が行う為替取引、暗号資産の交換等及び銀行等の間で生じた為替取引に係る債権債務の清算について、登録その他の必要な措置を講じ、もって資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上に資する

資金決済法は2020年5月に改正法が施行されており、この改正により従来「仮想通貨」と呼ばれていたビットコインなどの名称が、「暗号資産」と改められました。
前述した暗号資産についての定義も、改正資金決済法第2条5項に盛り込まれています。

また、従来、暗号資産の取引仲介を行わず、いわゆる暗号資産の保管管理を行う「暗号資産カストディ業務」といわれるウォレットサービスのみを提供する業者などについては、資金決済法の規制対象ではありませんでした。※4

しかし、本改正により、このような業者であっても、顧客の資産を事業者が主体的に移転しうる形態の場合には、暗号資産交換業の免許が必要とされました。

金融商品取引法

暗号資産を念頭に置いた金融商品取引法(金商法)の改正法が、令和2年5月1日から施行されています。※2

金商法は、株式など金融証券の取引について定めた法律です。
金商法の目的は、その1条によれば次の通りです。

企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資すること

この改正で暗号資産も金商法の対象となり、少ない元手で多額の売買ができる暗号資産の証拠金取引について、ドルや円などの外国為替証拠金(FX)取引などと同様に金商法の規制対象となりました。※5、6

代表的な暗号資産

暗号資産の代表的なものとしてビットコインがありますが、暗号資産には他にも多くの種類が存在します。
ここでは、代表的な暗号資産としてビットコインの他、イーサリアムとリップルについて紹介します。

ビットコイン

ビットコイン(BTC)は、言わずと知れた暗号資産の代表格です。※7
「イーサリアム」や「リップル」は知らなくとも、ビットコインは聞いたことがあるという人が多いのではないでしょうか?

ビットコインの始まりは、2008年です。
この年に、「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がインターネット上に公開した論文受けて、ビットコインの運用が開始されました。
この人物の正体は、いまだ明らかになっていません。

この論文の最大の特徴は、分散型台帳を作る技術であるブロックチェーンを利用することで、公的な発行主体や管理者の裏付けなしに価値の保存や移転を行う点です。

最近では、このブロックチェーンの技術が暗号資産のみならず、さまざまな技術へ応用され始めています。

ビットコインは、法定通貨などとの交換で入手する他、コンピュータ上の採掘(マイニング)で入手することが可能です。
とはいえ、マイニングには膨大な計算が必要であるため、通常は取引にて入手することとなるでしょう。
マイニング可能な発行総量に上限(2,100万BTC)が設けられている点も、ビットコインの大きな特徴の一つといえます。

ビットコインの時価総額は、2021年4月時点で1兆ドルほどです。※8
これは国家予算に匹敵する規模であり、ますます存在感を増しています。

イーサリアム

イーサリアム(ETS)は元々、ヴィタリック・ブテリン氏によって開発されたプラットフォームの名称でした。※9
このプラットフォーム内で使用される仮想通貨をイーサといいます。
日本では、この通貨である「イーサ」を指して「イーサリアム」と呼ぶことが一般的です。

イーサリアムの大きな特徴は、「スマートコントラクト」にあります。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上にプログラムを書き込むことで、設定した要件を自動的に実行する機能です。

これにより、契約をプラットフォーム上で締結し、あらかじめ契約内容や履行義務をプログラム上で入れておくことで、簡便かつ確実に契約が実行されるというメリットがあります。

このスマートコントラクトは、暗号資産の取引に使えることはもちろんのこと、他の商品取引などにも応用ができる技術です。
そのため、この技術を使った新たなビジネスの拡がりにも期待が寄せられています。

イーサリアムの時価総額はビットコインの次に大きいとされており、2021年4月時点では2,440億ドルにのぼりました。※8、10

リップル

リップル(XRP)は、テクノロジー企業であるリップルの金融機関向け国際送金ソリューション「RippleNet」で利用されている仮想通貨です。※11、12
暗号資産の中でも処理コストが安く、取引の処理時間が短い点が得最大の特徴とされています。
例えば、円とドルの交換など、異なる通貨間の橋渡しとして活用されています。

発行上限数量は1,000億XRPですが、既にすべて発行済みのため、マイニングなどによる新規での発行はできません。

リップルの時価総額は、2021年4月時点で約1,400億ドルほどです。※13

再び話題沸騰のビットコイン

一時は下火となっていたビットコインですが、最近、再び話題となっています。※14
2021年4月14日には、1BTCあたりの価格が700万円を突破し、過去最高値を更新しました。
もはや、ビットコインバブルといっても過言ではありません。

この背景として、米コインベースが、仮想通貨取引所として世界で初めて株式上場することがあります。
コインベース社の時価総額は7兆円ほどで、これは日本では三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額7.9兆円と同程度だとされており、巨大な新規上場です。

しかし、このまま上昇傾向が続いたわけではありません。
その後の4月19日には、14日につけた価格から1割超も下落しているのです。※15
これは、中国・新疆ウイグル自治区の仮想通貨のマイニング業者が、ビットコインの売却に動くとの見方が広がったためだとされています。

ビットコインは、もともと一日で3~4割以上変動することも珍しくありません。
値動きが激しいため、取引をする際には慎重に判断する必要があります。

暗号資産の今後の流れ

暗号資産は、今後どうなっていくのでしょうか?※16、17
米ブルームバーグの報告書によれは、ビットコインは2021年中に40万ドルに上昇する可能性があるとされています。
これは、過去のパフォーマンスを参考としたものです。

一方で、一部には債券利回りの急速な上昇がゴールドやビットコインのインフレヘッジとしての魅力を弱め、価格を押し下げるという見方や、現在の価格上昇はバブルであり、今後そのバブルは崩壊するとの見方もあり、慎重な判断が求められます。

金融業界に及ぼす影響とは

既に存在感を増している暗号資産は、金融機関に影響を与えることは必至です。
では、具体的に今後どのような影響が予想されるでしょうか?

ブロックチェーン技術の応用

仮想通貨が金融業界に及ぼす影響として、まずブロックチェーン技術の応用が考えられます。※18
ブロックチェーン技術とは、暗号資産を支える技術であり、ビットコイン流通のもととなった「サトシ・ナカモト」氏の論文により公表された技術です。

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は、ブロック化したデータを複数のコンピュータに分散して記録し、正しい情報をチェーンのようにつなぐことで取引の信頼性を高めることができる点に特徴があります。

現状、金融取引の信頼性は、複雑なプロセスを踏むことで確保されていますが、このやり方は多くの仲介者が必要なため非効率的で、マネーロンダリングなどの不正行為を引き起こす可能性があるとの指摘もあります。

そのため、今後は金融取引にもよりシンプルで合理化した取引確認手段であるブロックチェーンの技術の応用が進んでいきそうです。

中央銀行がデジタル通貨を発行

中央銀行がデジタル通貨を発行する流れが加速しています。※19、20、21、22
国際決済銀行(BIS)のリポートによれば、世界65ヶ国・地域のうち6割がデジタル通貨の実験段階に進んでいるとのことです。

具体的には、中国はすでにデジタル人民元の実証実験を行っている他、イギリスの財務省と中央銀行であるイングランド銀行がデジタル通貨に関する合同タスクフォースをつくると発表しています。

政府発行のデジタル通貨は中央銀行が発行する通貨である以上、暗号資産の定義からは外れますが、暗号資産の技術を応用したデジタル通貨を中央政府が発行する動きは、今後ますます広がりを見せそうです。

この流れは、日本も例外ではありません。
日本銀行は、「デジタル通貨を発行する計画はない」としながらも、既にデジタル通貨の実証実験を行っています。
実証実験では3段階を想定していますが、第2段階を令和4年度春にも行う方針であることが明らかになりました。

暗号資産を発端としたデジタル通貨が当たり前に流通する日は、そう遠くないでしょう。

まとめ

ビットコインなどの暗号資産が改めて注目を集める中、そのベースなるブロックチェーン技術も今後ますます活用が広がっていきそうです。

自社には関係がないと感じている企業もまだまだ少なくありませんが、暗号資産やデジタル通貨が当たり前に取引される日は、もうすぐそこまで迫ってきているといえるでしょう。

とはいえ、その段階に至るにはまだ完全に法整備が済んでいる状態であるとはいえません。
今後目まぐるしく法の整備やルール化が進んでいくことが予想されますので、今後の情報に引き続き注目すべき分野だといえるでしょう。

【参考文献】

文責

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